『症例Ａ』

『症例Ａ』　多島斗志之　読了しました。

起承転まではメチャクチャ面白いよ！　って評判で、読んでいる最中は「本当に面白いけど、結は？　これで結が面白くないの？？」　と思ってました。

しかーし読み終ってみて、私はこの終わり方もアリだと思いましたよ。
ラストを不満に思う方がいるのも分かりますけど。
でもねー　全体を通して、やっぱり面白いモノは面白いと言わざるをえない。

書くに当たっての作者のモチベーションの高さとか、読んでいて凄く伝わって来るし、難しいテーマだけどド素人の私にも理解しやすいように丁寧な描写で書かれていて読み易かったのも好印象。

登場する人達も、この後の人生があるんだよね。　小説が終わりでも、彼等の一生がコレで終わってしまうんじゃなくて、まだ続くんだと思える。
だから私はこの終わりでもいいと思うの。
作者がこの登場人物達のその後をまた書いてくれればいいなー　　とは思うけど。


精神科医と臨床心理士の力関係や対立と協力についても、細かく書かれててとても興味深かったです。　その辺に興味がある方も是非！